高校も大学も卒業式は出ていない

今週のお題「卒業」

高校は2年生の11月に中退、大学は2留。そのため卒業式には出ていない。

高校を中退したのは鬱病を発症したからだ。ある日、通学路で突然気持ちが悪くなり、吐き気を抑えられず道路にしゃがみこんだ。学校には仲の良い友達もいたし、いじめを受けていたわけでもない。それなのになぜかその日を境に通学できなくなった。そして中退。

どうして自分は鬱病になってしまったのか。
ありふれた話だけど、たぶんずっと良い子でい続けたことに疲れてしまったのだと思う。小学時代は学級委員、中学時代は中央委員を務め、先生にもかわいがられていた。贔屓されていたから同級生には疎まれていたかもしれない。その辺はわからない。中学の卒業式は解放された気分で、ただただ嬉しかった。

高校生になり、やっと自由になれたと思った。たしかに自由だった。でも孤独感は薄れなかった。自分はどうも他の人とは違う。そういう自意識も、10代にはありふれたものだ。けれど実際に鬱病になってしまったし、そのために中退するはめになった。進学校だったから中退する人間など1学年に2人いるかどうかだ。なんだか落ちこぼれになった気分だった。
中退した人間に卒業式は訪れない。卒業アルバムもない。

その後、大検を受けて皆と同じ年に大学に入学した。鬱病は治っていた。
だから大学は大学でまあまあ楽しかったのだけれど、3年生になってから始めた出版社でのアルバイトのほうが楽しくなり、講義にはほとんど出なくなった。わずか3単位が足りず、2年間も留年。学費を全て出してくれていた親には本当に悪かったと思う。
卒業式。同級生は2年前に卒業しているし、留年中にできた友達は皆無。卒業式に出る意味がない。

そんなわけで、高校も大学も卒業式には出なかった。というか出られなかった。でも後悔はしていない。同じような境遇の人はいるのだろうか? いたらちょっと救われる気がする。