非常事態だからこそ美味しい珈琲を自宅で淹れる

今週のお題「うるう年」

様々なイベントが中止になり、予定が狂ってしまった週末。こうなったら徹底的に美味しいコーヒーを追究しよう。ということでコーヒー指南本を熟読し、完璧な一杯を淹れることに決めた。

参考にするのはその名もズバリ『おいしい珈琲を自宅で淹れる本』。

新版 おいしい珈琲を自宅で淹れる本

新版 おいしい珈琲を自宅で淹れる本

  • 作者:富田 佐奈栄
  • 発売日: 2018/12/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

この本、普通のコーヒー指南本と違い、かなり科学的である。豆の種類、お湯の温度、煎り具合、挽き方、ドリッパーの種類とそれらの兼ね合い。なぜこうするとこういう味になるのか、について曖昧なニュアンスではなく、しっかりとした裏づけに基づいて説明されている。

例えばこんな感じ。

「 粉の成分はどのように抽出されていくかというと、お湯を注いだ直後に多く抽出され、注ぎ続けたあとのほうでは限られた成分しか抽出されません。極端にいうと、最初の蒸らしと2回目の抽出でコーヒーの味の方向性が決まってしまい、3回目の抽出は『濃度の調整』という意味合いが大きいのです。」

「おいしいコーヒーを淹れるならおいしい水を使用しなければと市販のミネラルウォーターを使用する人がいます。ところが、これらに含まれるマグネシウムやカルシウムなどのミネラルは、コーヒーの風味を壊しかねません。特に外国産に多い硬水は苦みを引き出してしまうため、エスプレッソにはOKですがドリップ式コーヒーなどには不向き。」

「カリタ式のペーパードリッパーはキレがよく、さっぱり。これは、カリタが『濾す』という考え方だから。」

「メリタ式のペーパードリッパーはコクのある深い味わい。これは、メリタが湯を滞留させて『煮出す』という考え方だから。」

他にもいろいろと細かく解説されているので、興味があったら読んでみてください。
もしかしたら他のコーヒー指南本も同じように詳しく書かれているのかもしれないけど、残念ながら私が読んだことがあるのは有名珈琲店の個人趣味バリバリ、雰囲気で納得させる系のものが多かった。

さて、私の家にはカリタ式のペーパードリッパーしかない。本当はコクのある深い味わいのコーヒーが好きなのだけど、とりあえずこの本でコクのある味わいになるとされる淹れ方で淹れてみる。
ちなみに今までの私の淹れ方は、粉の量は適当、お湯の温度は沸騰直後、蒸らしは20秒、3回注いで完成という方式。お湯の温度以外は間違ってはいないし、それなりにおいしいコーヒーができてはいた。
豆や粉は200gで500円程度のもの。無印良品のオーガニックコーヒー「ダーク」が定番である。

とりあえず「ダーク」を淹れる。粉は濃く抽出されるよう10gにし、お湯の温度はちゃんと調理用の温度計で計り92度に。蒸らしは30秒。2回注いで終わり。

おお! いつものコーヒーよりコクがある! そして格段においしい。成功だ。もうこれを「完璧な一杯」と名付けてしまっていいのではないか。

しかし今日はまだまだ時間がある。店が開く時間になったらメリタ式のドリッパーを買ってこよう。粉はどこのがいいのかよくわからないから、カルディで2種類買ってみる。そしてカリタ式と淹れ比べてみよう。
そうすれば今日中には「うるう年の完璧な一杯」を飲むことができるはずだから。